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ぱすてるくれよん - Final Fantasy XIV Fan Site -

新生編

新生編

日記ログ[001]冒険初日~10日。

2023.05.04「ガンブレイカーへの誘い」GNB

わたしはリル――

じゃないの。パステル・クレヨン。

pc

なんだかよく分からないうちに異郷の地へ辿りついたの。
初めてじゃないからなんとなく分かる。次の世界へ飛ばされたに違いない。

街の人たちに話を聞いて、最低限の衣装を調達して、最低限の知識を手に入れた。言葉が通じるのは助かる。
ここはエオルゼアという地方のグリダニア。黒衣森という大森林に囲まれた街。
そして、わたしは「ララフェル」というかなり小柄な種族らしい。ドワーフみたいなものかな。

「ようやくショックから立ち直って……。気付いたら5ヶ月経ってたの」

かなりの冒険者がいるけれど、知ってる人は誰もいない。知識は半端にしか通用しない。
だったらすることはひとつ。わたしも冒険者になる。生きるために仕方ないの。
わたしの幻術がこの世界の幻術と違うことがバレると面倒だから、新しいジョブを身に付けよう。

pc

特にあてもなく歩いていたら、声を掛けられたの。神勇隊の隊士。グリダニアを防衛する人たち。

富裕層ばかりを狙う盗賊団の被害が深刻だから、調査人員を増員したいんだって。
目撃証言に従えば、怪しいのは東部森林の「茨の森」みたい。街の東側だから東部森林。
余裕は無いけど、恩を売って、周辺の地理も把握出来るならアリかなあ。

「わたしに任せるの!」

pc

指定された場所へ。冒険者がいることから分かってたけど、やっぱりこの世界にもモンスターはいるの。
わたしより格下ばかりだからか襲ってくる気配はないけれど。なにが起きるか分からないから油断しちゃダメ。
いままで何度騙されて何度死にかけたことか分からないの。

……っと。いまなにかが駆け抜けて行ったような。

pc pc

人の気配?

あっちなの!

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いかにもな悪者面に襲われてる人がふたり。杖を持ったウサギみたいな人と、大きな剣を持ったライオンみたいな人。
前の世界にもそっくりな感じの種族がいたから、そういう部分は同じとみていいかもしれないの。

うわさの盗賊団を見付けたっぽい。

ライオンみたいな人は数人の盗賊を倒して息切れ中。ウサギみたいな人は非戦闘員なのか身構えもしない。
つまり、最後の盗賊はわたしひとりで倒さなきゃならないみたい。
わたしの経験からいって、盗賊とこのふたりがグルって可能性もあり得るけれど……。

ひとまず倒してから考えるの!

pc

この盗賊、思ったより強い!
幻術の出し惜しみしてる場合じゃなさそう。

「ストンラ! ストンラ! ストンラ! ストンラ~~~~!」

幻術というには即物的な、エーテルで生み出した石ころをぶつけるスキルで、いきり立った盗賊をとっちめた。

pc

どうやらグルってことは無かったみたいで、普通に感謝してくれた。
だったらわたしも愛想笑いで応じるの。

「えへへ。どういたしましてなの」

知らない人に対しては、好感度を上げておくに越したこと無いから。

pc

遅れて神勇隊の人たちがやって来て、盗賊をしょっぴいて行った。
なんて見計らったようなタイミング。もうちょっと早く来て欲しいの。
どこかで見張ってたとかじゃないよね?

結局のところ単なる被害者だったらしい、ライオンみたいな人は「ラドヴァン」。ウサギみたいな人は「ソフィー」。
ふたりとも悪者国家のガレマール帝国からはるばる逃げて来たらしく、かなりお疲れの様子。なのだけど。
わたしの意識はべつのところへ。わたしの視線はあるものに釘付けだった。

pc pc

ラドヴァンさんの剣、カッコイイ!

なんかこう、ね?
メカメカしいものっておもちゃみたいで、見ててわくわくするの!

ぱっと見、〝銃剣かな?〟って思ってたけど違った。
クリスタルの粉末を込めて魔法効果を生み出す「ガンブレード」ってモノみたいなの。
わたしこんな武器知らない。知らないものは危険だって分かってるけど、ワクワクする。
欲しい。絶対欲しい。奪って逃げようかな……。

なんて考えてたら。

「君もガンブレイカーにならないか?」

わたしの戦いぶりに素質を感じて、護衛稼業の冒険者を一緒に始めないかと提案してきた。
石ころを投げつけてただけなんだけど。なんでガンブレードの素質を見抜けたのか全然分からないんだけど。
どう考えても怪しいんだけど!

pc

「わたしもガンブレイカーになるの!」

pc

「我が一族に伝わるガンブレードと、引き継がれてきた技の記憶を込めた、ガンブレイカーの証を渡そう。
 まずは、これらを身に着けて、ソウルクリスタルに込められた、先人たちの声に耳を傾けてくれ」

ソウルクリスタル?
……っていうのを装着することで、ガンブレイカーのスキルが瞬時にして理解出来るって仕組みみたいなの。
うさんくさいけど、ラドヴァンさんの言葉に従って、さっそくガンブレードと一緒に身に付けてみるの。

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脱げた。

「きゃああああ!?」

先人たちの声が流れ込んで来たと思ったら、不思議なパワーで幻術士の衣装が一瞬にして全部脱げたの。
パンツとブラだけ不自然に残されてるとこに、むしろフェチズムというか悪意を感じる。
ラドヴァンさんの先祖っていったい……?

どうもこの世界におけるジョブチェンジって、こういうものらしい。
そうならそうと、なんで先に言ってくれないの? おかけでわたしは、異境の地でいろんなものを失った気分。
確かにガンブレードと証は装着出来たし、たくさんの頼もしいスキルも頭の中に流れ込んで来たよ?

騙された。敢えて言わなかっただけで騙したうちには入らないかもしれないけど、気分的には騙された。

せっかく仮面で隠した素顔もさらけ出すハメになった。

「これだから人間は信用ならないの!」

pc

騙されるのは今日に始まったことじゃない。慣れっこなの。
気を取り直して、ほかのガンブレイカー装備を装着してみた。

ガンブレードはシャープで格好良かったのに、なんだか全体的に無骨。
ララフェルがちんちくりんなのもあって、お遊戯会みたいになった。少なくともオシャレじゃない。がっかり。

はあ……。
とりあえず、これからガンブレイカーがんばるの。

おいしいプリンのために!

2023.05.05「殺害予告? 人気演奏家を守れ!」GNB

ラドヴァンさんとソフィーさんはグリダニアでは結構珍しい種族っぽい。
少なくともほかには全然見掛けないわりに、視線を集めてる様子はない。
周りは冒険者ばかりだから、街の人は特異な風貌に慣れてるのかな。

そんなふたりも冒険者になりたいというから、冒険者ギルドへ付き添ったの。

わたしも駆け出しというか。最初のクエストをずっと放置してる身。
なのに、よりによってミューヌさんの目の前で待ち合わせ。気まずい!

pc

ガレマール帝国に支配された属州国では、冒険者っていう自由な生き様が許されないみたい。
帝国にも属州国にも絶対関わり合いになりたくないの。監視された生活ってことだろうから。
プリンも食べられなさそう。無理。

ところで、わたしが到着した時には冒険者登録どころか依頼もゲットしてた。どういうこと?
わたしに付き添うよう頼んでおいて、わたしの到着を待てないとか。何様のつもり?
おかげでミューヌさんの微妙な視線、もらい損なの!

pc

うう。すみません……。
ミューヌパイセンからお出しされたクエスト、5ヶ月も放置しててすみませんですの……。
わたしが何様かって話ですの……。あはは……。

そそくさと逃げるようにして冒険者ギルド「カーラインカフェ」を後にした。

pc

次の待ち合わせ場所に着いたら、またもラドヴァンさんとソフィーさんが先回りしてた。
わたしだって逃げるようにダッシュしてきたのに! なのになんなのこの人たち! 息ひとつ切らせてない!
グリダニア着いたばかりで不慣れな初心者のはずなのに! 仕事仲間なら一緒に歩いて行けばいいのに!

「これだから人間は信用ならないの!」

まあいいや。
他人を信じるべからずって再確認出来ただけ良しとするの。ガンブレイカー最初の依頼がんばろ。

依頼主のラサンシューさんいわく。
超人気ハープシコード奏者のエディシアさんが散歩するから、ソレを護衛するの。
なんか脅迫状が届いたらしくて、本来ならおちおち外出も出来ないのだとか。
気の毒っちゃ気の毒だけど。……散歩? 狙われてる危機感無いの?

pc

エディシアさんが外出の準備をする間、わたしたちは彼女の人柄について聞き込み調査。
なんで殺害予告なんてされたか予想が付けば、護衛の役に立つかもしれないし。
たぶん嫉妬に狂った同業者の仕業だろうけど。

エシディアさんが普段活動してるミィ・ケット野外音楽堂近辺の人たちに聞いてみた。

  • 彗星のように現れた新人。
  • 人間離れした演奏力。
  • 奇抜なファッション。
  • 個性的な人柄。
  • 熱狂的ファンの存在。

こんなとこかな。
最後に話をした、あのオンディヌさんって奏者が怪しい。
熱狂的ファンが発生するくらいの人気に嫉妬した、同業者の犯行だと思う。

ポッと出の新人に話題を独占されたら、石だって投げたくなるよね?
分かる分かる。わたしだけはあなたの気持ち分かってるから。オンディヌさん。

ひととおりの下調べが済んだため、依頼人と護衛対象のもとへ。

pc

あっ。うん。
とても奇抜なファッションですね……。
緑髪に紫衣装の補色関係が派手派手しくて素敵ですね……。

顔付きも一度見たら忘れられないというか。個性的というか。ありていに言うとイラッとするというか。
可愛いと言えば可愛いんだけど! なんかこう。ね?

エシディアさんはウワサ通りの人だった。

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あなたはあなたで視点が定まってない気がするけど大丈夫?
ラサンシューさんはこんなごっつい鎧着てるのに、戦闘方面にあまり自信が無いみたい。

大人数でゾロゾロ移動したら犯人を刺激するかも?
……ってことで、ソフィーさんとラサンシューさんはお留守番。
護衛はわたしとラドヴァンさんのふたりだけ。そう決定した。

う~ん。普通に大人数で動けばいいと思うの。
いざとなれば肉の盾になれるわけだから。もちろんなりたくはないけど……。
だって、人気奏者さんの生命が懸かってるんだよ? いいの?
あとなんでわたしに意見求めてくれなかったの? 仕事仲間だよね?

pc

本人はいたって脳天気。
先が思いやられるの。

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エシディアさんは有名人らしいからいいとして。ラドヴァンさん、ずるい。
ただ歩いてるだけなのに、カッコイイ肩書き背負ってて、ずるい。「剛堅」て。どんだけ固いの。

わたしもなんか欲しい。例えば「星砕きのリル……じゃない。違う違う。
えっと。「星砕きのパステル」とか。砕いたことないけど。

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道すがら、ファンに見付かってサービスする、緊張感皆無のエシディアさん。
犯人がファンのフリして駆け寄って、勢い任せにブスリ! な~んてことになったらどうするの。
そしたらわたしたちの責任か。反応出来なかったもん。こっちこそ気を付けなきゃ。

集まったファンからも話を聞いてみて。
ラドヴァンさん的には熱狂的なファンによる犯行予告ってセンが濃厚になったみたい。
わたしはやっぱり同業者による犯行予告だと思うけど……。嫉妬ってね。怖いんだよ?

直後、わたしたちは悪漢の集団に襲われた。
今度は警戒してたし、すぐに反応出来たまでは良かった。
だけど、やっぱ人数が足りない!
数人の悪漢がわたしたちの合間をすり抜けて、エシディアさんの方へ! ああああ~! 待って待って!

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何度刺されても、エシディアさんはピンピンしてた。
わたしの中で護衛いらない疑惑が発生。

いつの間にか参戦してた街の警備兵っぽいホディンさんが、悪漢たちを連行していく。
悪漢たちをよくよく見てみたら、昨日の盗賊たちと似たような風貌してた。
オンディヌさん、もとい、犯人はお金で盗賊を雇ったのかな?

そこから先も、出て来る出てくる。盗賊がわらわらと。
オンディヌさん、もとい、犯人はかなり本気でエシディアさんを亡き者にしたいっぽい。
どう考えても散歩なんかやめて帰った方がいい状況なのに、エシディアさんはお気楽に歩いて行く。
わたしたちはついて行くしかない。

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「ほらやっぱり!」

思わず口に出しちゃったけれど。

オンディヌさんが犯人だったの!
仮面で素顔隠したって無駄なの!
わたしも昨日まで仮面で素顔隠してたけど、無駄ったら無駄なの! 脱げるし!

オンディヌさんはでっかい猫をはべらせて殺る気満々。
最初、でっかい帽子かぶってるみたいに見えてびっくりしたけど、それはでっかい猫のヒゲ……。

……え。ちょっと待って。
このでっかい猫と戦うの? わたしガンブレイカーデビュー初日なんだけど?
一気に20個以上覚えたスキル使いこなせないどころか、どんな効果か覚えてないんだけど?
聞いてない!

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正直なとこ、ラドヴァンさんがいろいろ指示してくれたのは助かった。
猫が呼び出した雷撃に〝当たりに行け!〟だなんて、言われないと動けなかったし。
そっか。これがタンクの役割。〝護る〟ってこと……!

知見を得た瞬間だった。

またしても、わらわら湧いて来る盗賊たちにグッサグッサ刺されてるエシディアさんを尻目に。

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ソフィーさんの言葉を思い出す。

ラドヴァンさんはわたしにとって、師匠になるのかな。
だったら、もうちょっとだけ尊敬してあげようかな。

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何故だか貴族系の悪者は猫を飼いたがる。
でもって〝猫ちゃん〟って言いたがる。

でっかい〝猫ちゃん〟はやたらタフだった。
エディシアさんもタフだった。

けれど、ついに倒した!

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騒ぎを聞き付けて神勇隊の人が現れた。
全部カタが付いてから駆け付けるのが彼らの流儀らしい。

もう! しっかりして! そんなんじゃ街の人を不安がらせちゃう!
こんなでっかい猫がミィ・ケット野外音楽堂のステージに運び込まれるまでなにしてたの!?

ともあれ。
結局は同業者による嫉妬絡みの犯行だったの。
熱狂的なファンならいきなり殺害せず、拉致監禁してやりたい放題するはず。
熱愛報道とかされた直後ならいきなり殺害する可能性もあるけど、今回はそういうのじゃなかったし。

pc

そして、エシディアさんから呼び出しを喰らうわたしたち。
ラサンシューさんに内緒で、個人報酬でもくれるのかな?

な~んてニコニコしてたら違った。
無理に散歩しようとした理由を教えてくれた。
強行してる自覚あったのか。

pc

な~んだ。わたしと同じか。
いやまあ。同じっていうか。立場が似てるっていうか。ごにょごにょ。

エシディアさんの正体はシルフ族。
奇抜なファッションやおかしな言動は、シルフ族の感性ってことらしい。

「光合成が必要なら仕方ないの」

……とでも言うと思ったか!
光合成なら、拠点の屋根とかバルコニーとか玄関前でも良かったよね!?
そりゃあ。アウトドア系の人が何日も引き籠もってると、ストレスとか大変なんだろうけども。

わたしの心のツッコミなんかいざ知らず。
ネタバラシをしたエシディアさんは、鼻歌を歌いながら悠々と去って行った。
犯人が捕まったとはいえ、帰り道は護衛しなくていいの……?

いいか。どうせ襲われても死なないだろうし。

pc

そして唐突に始まるラドヴァンさんのガンブレイカー解説。

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確かに「ガンブレイカー」ってジョブ名は疑問だった。
あんまり〝護る〟イメージが湧かなかったし。

銃を破壊しまくった人たちだから、ガンブレイカー。
うち(ガンブレード)が起源なんだから、紛い物のおまえ(ガン)は消えろってことか。
ここでも嫉妬が争いを呼んでいたの。なるほどね。

知りたく無かった!

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本当は一族以外にガンブレイカーのあれこれ教えるのは禁止みたい。
例外を押し通すくらい、わたしに期待してるってことかな?

それならまあ……。えへへ。
しょうがないから伝授されてやるの!

2023.05.06「冒険者への手引き」MainQuest

次の任務のため、ラドヴァンさんとソフィーさんが「ウルダハ」っていう国に行くとか言い出した。
〝ちょっとそこまで買い物に!〟って感覚で、気軽に出国しようとしてる。
冒険者すごい。ひよっこ冒険者なのにすごい。亡命者だからかも。

仕事仲間だから。師匠だから。ついていかざるを得ない。
しょうがないなあ。もう……。

せめて最初のおつかいは終わらせて、わたしなりの誠意を示してからグリダニアを去ろう。
5ヶ月前の記憶だからうろ覚えだけど、冒険者として最低限会っておくべき人物をふたり紹介されたはず!
決意に燃えるわたしはマーケットへ向かった。

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うっわ。絵に描いたような高飛車居丈高系のお爺さん。
商店街の顔役商人だか知らないけど、初めての相手に気に食わない態度!
見下ろ(みおろ)されるのは仕方ないにしても、見下(みくだ)されるいわれはないの!

でも、処世術を心得てるわたしはそっと懐に手を伸ばし……。

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「つまらないものですの」

ミューヌさん謹製。
5ヶ月前のイールパイを差し出した。

「……ふむ、いいじゃろう」

いいっぽい。
夜のお菓子ってより黄泉のお菓子って感じだけど。満足してくれるならいいや。

pc

グリダニアの商店街は、南北のエリアに分かれてる。
雑貨類を扱うウルダハ系商人が集う北側「黒檀商店街」と、装備類を扱うグリダニア系商人が集う南側「紫檀商店街」。
互いに仲が悪いらしいから、深入りするのはやめとこうかな。くわばわくわばら。

pc

これで終わり!?
あんな偉そうにしといて!?
商店街の古株ならほかに教えられることないの!? あるよね!? リテイナーのこととか!

不満そうにしてたら睨まれたから逃げた。

次に向かうのは幻術士ギルド。わたしが使う幻術はこっちの幻術とは体系が異なるのだけど。
冒険者ギルドへ登録する時、ミューヌさんにジョブを聞かれて咄嗟に答えちゃったから仕方ないの。
ボロが出ないように注意して、さっさと済ませよう。

pc

これが幻術士ギルドの入口。
ホントにここで合ってる? 合ってるよね? なんで洞窟? 街の中だよここ?

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まず洞窟の名前が読めない。堅苦しい人たちの巣窟なのは間違いない。
あと雰囲気がなんか全体的に怖い。幽霊とか出そう。幽霊なんか怖くないけど。怖くないけど。幽霊なんか。

「ここは、精霊の声を聞く、神聖なる場所」

「ぎゃああああ!」

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静かにしろって怒られた。

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あそこにいる人が幻術士ギルドの偉い人かな。
こんな幽霊が出るような陰鬱洞窟のいちばん奥にいるんだから、ネクリスト(根暗ist)に違いない。
関わらないようにしよう。

わたしが話し掛けるべきは受付の人のみ!

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「あなたは、幻術を志す冒険者のようですね」

「いいえ。違いますの」

「え?」

「うふふ。冗談ですの。あなたを試させてもらいました」

あぶないあぶない。
早く帰りたい気持ちから、本音が漏れちゃった。

pc

わたしの笑顔に気を良くした受付マデルさんが幻術士の起源を……。
この流れ、さっきラドヴァンさんのガンブレイカー解説で喰らったばかりなのに!

長かった話を要約すると。
元々この地域は森を司る精霊の領域で。
最初、人は地下都市「ゲルモラ」に隠れ住んでたけど。
地上で暮らす許しを得るため、精霊との対話術が編み出された。それこそ幻術の礎。

……やだなあ。そういうの。
精霊を先住民とするなら許可を得るべきなのも、道理としては理解出来るけど……。
ガレマール帝国と属州国の関係を思い出しちゃった。

せめてわたしは自由に生きたい。

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「あ。いえ。お構いなく」

pc

「用事がありますので、失礼しますの!」

幻術士ギルドへの加入を強制されることもなく、ほっとひと安心。
精霊を敬う心が皆無なのに幻術士を名乗ったと知られたら、どんな凄惨な仕打ちを受けるか。

おつかいの終了を報告するため、わたしはカーラインカフェへ向かった。

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「あの~。紹介された人に会って来ましたの」

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圧が強い!

心根が素直じゃなくてすみません。
あと、しばらくグリダニアを離れるつもりですの。力を貸せなくて、ごめんなさい。

では、さようなら!
せめて次に会う時は笑顔でいてください、ミューヌさん!

「ああ、そうだ。バノック練兵場には、もう行ってみたかい?」

……?
グランドカンパニー「双蛇党」の隊士が鍛錬を行っている場所? なんの話?

pc

あの。それってわたしがグリダニアを離れるのは許さないってことでしょうか。
いま〝手伝いついでに、挨拶に行くといい〟と仰いましたが。
要約すると〝挨拶ついでに、手伝って来い〟って話でしょうか。

はい。……はい。分かりましたの……。

街を出て南。バノック練兵場へ!

2023.05.06「グリダニアの白狼門」SubQuest

グリダニアから街の外へ出る方法は全部で5つ。

  • 青狢門:中央森林方面(街の南側)。
  • 黄蛇門:北部森林方面(街の北西側)。
  • 白狼門:中央森林方面(街の南側)。使用許可が必要。
  • 渡し船:東部森林方面(街の東側)。
  • グリダニア・ランディング:飛空挺のエアポート。使用許可が必要。

マップを見る限り「玄猪門」ってのもあるけど閉ざされてる。
同じく「朱獺門」は水門だから冒険者のわたしが使うことはなさそう。
青狢門、白狼門、玄猪門、朱獺門の4つ合わせて「グリダニア四門」と呼ばれる。

黄蛇門加えて五門じゃダメなのかな。
まあいいや。調べた蘊蓄披露、終わり。

pc

現時点で使用許可が下りていない、白狼門の解放が今回の目的。
特に難しい手続きは無くて、ある程度のLvに達してれば問題ないみたい。
チョ・モーイ牙兵長って人が許可証くれた。兵長なのにこんな場所に立たされてて可哀想。

それにしても「わたしのどんな活躍」が知られちゃってるのかすごい気になる。
冒険者として、ほとんどなにもしてないよ? しかも多方面から聞いてる? 誰かと勘違いしてない?
こわい。

pc

同じ中央森林へ至る門でも、白狼門の外は青狢門の外と比べて危険みたい。
忠告ありがとうフランなんとかさん。

pc

この一連の流れで、どうして達成報酬がもらえるのかな。
どっちかと言うとわたしが払う側だと思うけど、騙されてないよね?
好きなの選んでいいなら、お金もらうよフランなんとかさん? もらっちゃうからね?
後になってから〝受け取った分は身体で払え!〟とか言わないでね?

2023.05.06「バノック練兵所へ」MainQuest

白狼門を出た。

pc

ウルダハに行けるようになるまで延々とクエストが発生する予感を感じながら。
……ま! おつかいは冒険者の特権って言うし! 言ってるの、わたしだけど。
実を言うとおつかいクエストは嫌いじゃないの。むしろ好き。達成目標が明確に示されてるのがイイ。

生まれた場所へ帰れる可能性は限りなく低いのだから。
せめてわたしは自由に、怠惰に、のんびりと生きたい。

pc

せっかく通行許可もらったから白狼門を使ったけど、普通に青狢門から出た方が近かったみたい。
そりゃそっか。本来は真のひよっこが受けるような、おつかいクエストだもん。
ムジナ門よりオオカミ門の方が敵が強いって聞いてたし。

pc

中央森林の名所「地神の忘却」の高みから遠くを見渡せたし、良しとするの!
視野が広いと懐かしい感覚に戻れる。ララフェルの身体じゃ視点が低いし空も飛べないから。

聞いた話だと「マウント」を手に入れれば自由に空を駆け回れるのだとか。
世知辛い世の中だけど、楽しみがひとつ増えたの。

地神の忘却を駆け下りてしばらく歩いたら、目的地のバノック練兵所へ到着。
ひよっこ冒険者なら途中のモンスターに手間取ったかもだけど、わたしにとっては大した問題じゃない。

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ココの衛士の方がよっぽど怖い。

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新兵も怖い。つまりみんな怖い。

ここでちょっと疑問が生じたから、また調べてみた。
グリダニア兵の区分について。組織が複数あってややこしいの。

  • 双蛇党:カヌ・エ・センナが国難を乗り切るために設立したグランドカンパニー。
  • 鬼哭隊:黒衣森内部の盗賊や密猟者の対策。槍術士ギルドと癒着。悪者を森から追放。みんな仮面着用。
  • 神勇隊:黒衣森外部のイクサル族やガレマール帝国の対策。弓術士ギルドと癒着。悪者を森へ入れない。

鬼哭隊と神勇隊は森の内外どちらの敵を担当してるかの違い。
……あれ? ガンブレイカーになる前、森に潜む盗賊退治を依頼してきたの、神勇隊だったような。
……あれれ? 内部の敵は鬼哭隊の管轄では? 実際はわりとその場対応? まあいいや。

双蛇党は新しめの組織で、国の直轄。鬼哭隊や神勇隊を事実上、傘下に組み込んでるっぽい。
んで、バノック練兵所は鬼哭隊や神勇隊の衛士が双蛇党の新兵を鍛える施設と。
うん。スッキリしたの!

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なんでまたわたしの情報が共有されてるの。
ミューヌさんが一番怖い。

2023.05.06「傭兵の身構え」MainQuest

ミューヌさんの知人こと、バノック練兵所の教官ガルフリッドさんが、わたしの装備を一瞥して言った。

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「私がおまえの装備を確認してやろう」

だからなんでそんな上から目線!

「これだから人間は信用ならないの!」

いいよいいよ。
わたしの装備を見てびっくりすればいい。
ガンブレーカーLv.60装備は、練兵所の標準装備なんか目じゃないくらい高性能なの!

pc

要求されたIL(アイテムレベル)は「5」。

pc

わたしのIL(アイテムレベル)は「255」。

表面上の数字だけでも51倍なの! どうだ参ったか! あっはっはっ!

pc

「頼りにさせてもらうぞ」

えっと。
おつかいクエストは好きだけど激務は普通に嫌なので……。
仕事は適度に、お手柔らかに、お願いしたいの。

やぶ蛇だった。

2023.05.07「不審者を追って」MainQuest

わたしがIL255の装備を身に付けていることを知ったガルフリッドさんは、しばし思案して。
わたし(の装備)が思いのほか頼りになると分かってしまったガルフリッドさんは、神妙そうな顔で言った。

pc

「初耳ですの」

うわさしてる人たちはいたんだろうけど、わたしのことだから聞き流してたんだろう。
けれど、ガルフリッドさんは、わたしが知っている想定のまま構わず話を続けた。

pc

このカッコイイポーズ、いつかわたしも使いこなせるようになりたい。

勢いに押されて、バノック練兵所から北東方面にある「再生の根株」へ。

pc

大木の切り株っぽいものの真ん中に、曲剣が刺さってた。
いまならまだ〝エオルゼアでは切り株から剣が生えてくる〟って言われたら、ギリギリ信じられるものの。
やっぱ違う気がする。自然に生えてきたものじゃなさそう。

気になる。
わたし、気になってる。

木に成ってるだけに!

pc

触れると面倒なことになりそうな予感がビンビンするの。
どうしたものか悩んでたら、声を掛けられた。

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「ありゃ、先客だ」

たぶん、わたしのことだと思う。

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たぶん、わたしじゃないと思う。

そう信じたい。
ともあれ。初対面の相手に〝こいつ〟は無いと思うの。こいつめ。

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「覚えているクポ」

わたしがグリダニアへ向かうのに利用した乗り物(チョコボ・キャリッジ)へ勝手に侵入した綿毛っぽい生き物。
あるいは、勝手に乗客のお酒を飲んでった綿毛っぽい生き物かな。

綿毛っぽい生き物はわたしが不審者じゃないと証言してくれたから、好感度がちょっぴり上がったの。

pc

不審者はほかにいる! バーン!

関係ないけど呪術士さん、見上げてばかりで首痛くなりそう。
わたしも普段そうなんだけど、いまは高みから見下ろしてるから、人のこと言えるの。

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ふむふむ。
黒衣の森が怒るかもしれないのかあ。

そりゃあ剣を突き立てられたら怒るよね。痛いし。
誰だってそうする。わたしだってそうする。

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ざわ……。

pc

なんか来たの!
人面樹が突っ込んで来るの!

pc

えっと。えっと。えっと。
まだガンブレイカーのスキル回し覚えてないのに!
スキル名からしてどれかどれだかぜんぜん分かんないのに!

適当にガンブレード振り回しとけ!

pc

おかわりも来たの!

pc

なんとか倒し切った。
居合わせたふたりも一緒に戦ってくれたから、好感度が上がったの。

クポロ・コップとかいう変な酒飲み綿毛生き物はどこかに隠れてた。
戦ってくれなかったから、好感度がマイナスまで下がったの。

あとなんか薄く光る石ころが落ちてた。

pc

触れると面倒なことになりそうな予感がビンビンするの。
どうしたものか悩んでたと思ったら、好奇心に抗えずに拾っちゃってた。

pc

これはまずい。

pc

どう考えてもまずい。

pc

なにかを悟った顔。

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幻覚が見え始めた。

pc

幻聴も聞こえ始めた。

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「我が名はハイデリン……」

「あっ。はいっ。どうもご丁寧に。初めまして。リル……。パステルですの」

大きな水晶体(SoundOnly)のようなハイデリンさんの話は長かった。
光と闇がなんだかんだ言ってたけど、よく分からなかったの。

そして、わたしのほかにも声を掛けられた人がいたみたい。

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みんなでハイデリンさんの周りをくるくる回って空高く昇って行った。わ~い。

めでたし。めでたし。

pc

ぱちくり。

目が覚めて。
聞き覚えのある声に振り返れば……。

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爽やか好青年!

初見で感じたより嫌な子じゃさそう。

pc

いつの間にか鳥人のような種族の遺体が転がってた。
もしかしたら最初からあったのかもしれないし。
人面樹に踏み潰されたのかもしれない。

イクサル族っていうみたい。
グリダニアと敵対して、森を荒らす種族なんだとか。
鬼哭隊がメインで戦ってる相手にそんな名前があった気がするの。

pc

そういえばこっちのお尻……。
じゃなくて、お姉さんともまだろくに話してなかった。
なにか話題話題。……そうだ!

「おふたりは、大きなクリスタルを見ませんでしたの?」

よそ行き口調で可愛く尋ねてみる。

pc

もしかして不審者ってあなたなのでは?

しかし、困ったの。
ハイデリンさんと遭遇したのって、いまいるメンバーだとわたしだけみたい。
幻覚や幻聴だったとは思えないくらい、リアルな内容だったのに……。

ハイデリンさん! こういうの、困りますの! おかしな子って思われるんですから!
次があるなら時と場合を考えてください!

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あさっての方向に向かって無言で抗議してるうちに、ふたりと毛玉は去って行った。

いろいろ訳知りそうだったのに、訳有り剣を抜いてってくれなかったの。

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そして毛玉は一般人には見えないのが普通だったみたい。

そういえばチョコボ・キャリッジに同乗した、お酒飲まれたおじさんも、毛玉に気付いてなかった気がする。
しまった……。選択を誤った。

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神勇隊はいつものように、戦闘が終わるのを遠見に眺めてただけ。
それどころか戦闘後に挨拶にも来なかったから、悪化してる。

ガルフリッドさんにチクろうかと思ったけど、禍根を残しそうだからやめとこう。

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ここだけの話。
あのふたり、変な機械使ってたうえに名乗らなかったから、てっきり帝国の手先かと思ってたの。
イダとパパリモか。ちゃんと自己紹介的してくれればいいのに。

……ん? 賢人? 頭良いの? あのふたり! 男の子の方はともかく、女の子の方も!?
頭が悪い振りして、バノック練兵所に予め袖の下渡して、わたしを陥れようとしてる!?

……いやいや。
わたしを陥れるメリットがないの。すぐ悪い方に考えちゃうのはわたしの悪い癖。
また会うことがあったら詳しく聞いてみよう。

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結局、不審者ってなんだったんだろう。
それについては、死んでたイクサル族ってことで解決にしない?

2023.05.08「チゴーの卵袋」MainQuest

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じっとわたしを見つめるガルフリッドさん。
わたしが話し掛けるのを、いまかいまかと待っている。

面倒ごとを押し付けようと画策しているに違いないの。

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たったいま思い付いたようなそぶりで、ノリノリで依頼内容を告げて来た。
指定のモンスターを倒して得られる素材を、収集して欲しいってやつかな。
それならまあ、簡単そうだからいいか。

チゴーがなんなのか知らないけれど。
卵じゃなくて卵袋ってことは、爬虫類じゃなくて昆虫系っぽいけど。
冷静に考えると、やだなあ。部下を怪我させるような虫……。

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帰りたい。

蚊なの。わたしよりでっかい蚊なの。
血、吸われたら干からびるレベルででっかい蚊なの。
倒すのは一瞬だったけど、死骸から卵袋を採取するのが苦痛。トラウマもの。

帰りたい。

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(無言で頷く)

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(無言で差し出す)

2023.05.08「測量機材を探して」MainQuest

チゴーは鎖死病を媒介する害虫。
その卵袋は鎖死病の有無を判別するのに有用みたい。
そして、鎖死病はかつてグリダニアの人口比率を覆してしまうくらい、ヒューランに対して猛威を振るった疫病。

調査の役に立つなら、まあ……。
双蛇党の新米兵士に食べさせるんじゃないかと、密かに戦々恐々してたの。

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チゴーの卵袋を受け取りながら。モンランガンさんが、流れるように愚痴ってきた。

自分の部下の不始末を、会ったばかりの冒険者に伝えていいものなのか。
自分の部隊の名声を、落としてしまうだけじゃないのか。

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説教なんか後でいいじゃん!
自分たちで探しに行けばいいじゃん!?
ばーかばーか!

心の中で叫びつつ、わたしは測量機材の回収へ向かった。

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わたしよりずっと大きなサンショウウオ。ひと呑みにされそう。
さっきの蚊といい、スケールがおかしい。この辺り二度と歩きたくない。

けど、絶対何度も往復することになるの。

洞窟かあ。気味悪い虫とかいないといいけど。

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帰りたい。

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帰りたい。

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泣きながら回収。

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こんなところに置いて行った兵士をグーで殴りたい。

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(無言で頷く)

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(無言で差し出す)

2023.05.08「森を脅かすものたち」MainQuest

小屋の主であるガビノー親方はどうでもよく。
道士ポリヌさんに用事がある。

幻術士の中でも精霊との対話を得意とするポリヌさんは、森の変化を定期的に確かめてるみたい。
測量を請け負っておいて放棄した兵士は殴りたいけど、気持ちはまあ、分からなくもない。
わたしも逃げたかったから。

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測量機材を受け取りながら。ポリヌさんが、流れるように願望を漏らしてきた。

それ、近くにたくさんいる兵士に頼めばいいと思うの。訓練を兼ねて。
……まあ。やるけど。ここまで来たら、引き受けるの。

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3匹。
やけに具体的な内容。

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ついでのお願いもえげつない。
森のご機嫌を伺う仕事してて、邪魔だからって理由で獣を間引いていいのかな。

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アノール、わりと可愛い!
洞窟近辺にいたやつらより全然マシ。やっぱ動物型は見てて安心するの。

殺すけど。ワン、ツー、スリー。

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卵も容赦なく持ち帰り。
重かったけど、チゴーの卵袋を携帯するより数百万倍マシなの。

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卵はポリヌさんではなく、バノック練兵所のツブさんへお渡し。
話には聞いてたけど、めっちゃ喜ばれた。これこれ。こういうのでいいの。

とはいえ。

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使いっ走りしただけで〝物語の紡ぎ手〟言われても逆に困る。

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んで。
卵を届けに来たわたしへ、またもあの男が上からに目線で話し掛ける。
肉体の鍛錬はした記憶ないけど、忍耐の鍛錬なら積んで来た。

次の行き先は、ウォーレン牢獄!

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指さしてるのと、反対方向なんだけどね?

2023.05.09「ウォーレン牢獄の影」MainQuest

ガルフリッドさんに頼まれて、ウォーレン牢獄へ向かうの。
グリダニアにとって大切な儀式を行ってる最中に事故が起きたみたい。

助けに行こうにも西部森林にイクサル族が現れ、戦力が割かれてるんだとか。
儀式を中断させて精霊と人間を不仲にする二面作戦じゃないか。神勇隊はそう考えてるらしい。

個人的には話の途中で出てきた西部森林ってワードが気になったけど!
だって、わたしが行ける範囲にあるのって北・東・南・中央森林だけだもん。
地図上では詳細が確認できない場所なんだもん。

いつか行けるようになるのかなあ。
なんて考えつつ、まずは現場近くのエールスタンさんを訪ねた。

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儀式関係者の救出はあらかた済んだものの、鬼哭隊士6名と道士1名が逃げ遅れてるとのこと。
わたしからも捜索の協力を願い出た。
さすがに人の生命が掛かってる時にぐだぐだ言うほど、わたしは腐ってない。

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憎たらしい顔つきのインプや羽虫の群れが漂っているのも気にせず。
わたしは牢獄入口の階段を駆け上がった。

敷地内に入ってすぐのところにふたり!

……いやね。ほんと入ってすぐのところにいたの。
鬼哭隊の人たち、真面目に捜索活動してる……?

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残りのメンバーも続々見付かったけれど、当人たちは混乱のさなか。
かなりの大きさのモンスターと遭遇したらしく、見るからに怯えてる。
多少は元気のあった人も、反撃の発想もなく、一目散に撤退して行った。

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道士のサポートを行ったらしい隊士は、邪悪な精霊のようなものを見たと証言。
なにより、儀式の失敗にショックを隠せないみたい。

けど、パンツは隠した方がいいの。

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ほどなくして、道士も発見出来た。生命に別状はなさそう。本当に良かった。
彼を連れてすぐにでも脱出したいところ、なんだけど。

……不穏な空気が漂って来た。
鬼哭隊士たちが感じた恐怖の根源がすぐ近くにいるのかもしれない。

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背後!

強烈なまでに怪しげな気配を放つ、仮面の人物が!

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仮面の詠唱に応じて、土塊が人型に組み上がっていく。
隊士たちが見た巨大な影は、クレイゴーレムだったの!

これはそこらの隊士や、戦闘力の低い道士の手には余るかも。

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「けど、わたしには通用しないの!」

冒険するのは、この世界が初めてじゃないんだから。

慣れないガンブレードを一閃。
拙い剣技にも関わらず、一瞬でゴーレムを吹き飛ばしたわたし。

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仮面の声は少しばかり驚いていたように思えたの。

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けれど、すぐに姿を消した。撤退したのかな。
すっきりしないけど、間違いなく深追いしない方がいい。

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ひと段落済んだところへ。
先日、再生の根株で遭遇したふたり組がやって来た。
なんだかんだ、この人たちもただ者じゃなさそうだし、仮面の気配を追って来たのかもしれない。

せっかくだから情報交換を……。

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突然、わたしはめまいに襲われた。

この感覚は、この前の。
それこそ再生の根株で味わった、あの時の。

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なんだろうこの映像。

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聞いたことのない単語がてんこもり。

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ふたりが走って行って。
直後、わたしと出会った?

まさか……。
このふたりの記憶を追体験したとか?

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ぼーっとしてたみたい。
やっぱり、あの時と同じなの。

ふたりは道士を介抱する傍ら、黒衣森で行われている「魂還の儀式」について説明してくれた。

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造ったものや使用したもの。
モノだけじゃなく、使った場所も。
使用しなくなった際に森へ返すしきたりみたい。もちろん、森への感謝も忘れずに。

グリダニアは自然信仰が極まってると思ってはいたけれど。
徹底してるなあ。

ともあれ。
儀式はそういった理由で行われてた。
なんだってこんな辺鄙な場所でやるのかと思えば、ウォーレン牢獄そのものが返還対象だったの。

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別れ際、ふたりは自己紹介してくれた。パパリモとイダ。
少しは気を許してくれたってことかな?
もちろん本名とは限らないけどね!

わたしみたいに!

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結局、仮面の人物は謎のまま。

一連の事件の報告に、ミューヌさんの元へ。

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久しぶりのミューヌさんは、やっぱりちょっと怖い。
怒ってるんじゃないんだろうけど。純粋に苦手。

「この件については他言無用にしてほしい」

つまり。わたしは余計な秘密を知ってしまった。
バラしたら、バラすぞ! ということ……。

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けど、併設の施設「宿屋」と「ギルドリーヴ」を紹介してくれたから、少しは好きになった。かも。

冒険者として活躍するのは、悪いことばかりじゃなかったの。

2023.05.10「ベントブランチ牧場への誘い」MainQuest

報告を聞いたミューヌさんはわたしに口止めをし、引き換えに施設の使用許可をくれた。
少し流れは違ったかもしれないけど、わたし的にはそう感じてる。

改めてわたしの顔を一瞥すると、言った。

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「冒険者らしい顔付きになってきたじゃないか」

「あ。はい。ありがとうございます……」

「少しは都市のために働くってことがわかってきたのかな」

「あ。はい。そうかもしれませんの……」

やっぱミューヌさん怖い!
なんでこんなにも威圧してくるの!?

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もはや、なにもかもが命令形にしか聞こえない。
さわやかな提案を断れるはずもなく、とんぼ返りでベントブランチ牧場へ足を向けるわたし。

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そそくさと立ち去ろうとしていると、ミューヌさんが追撃を掛けてきた。

チョコボポーターという交通手段についてだった。
中央森林において、わたしが安全性を考慮する必要はないのだけど、いちおう話を聞いてみる。

チョコボってあの黄色い鳥だよね。アノールよりも大きい陸上生息タイプの。
ほかの冒険者がチョコボに跨がって疾走する姿は何度も見てるので、気にはなってたの。
もともと空を飛べたわたしが徒歩で移動するのはかなり疲れるし、お金で解決するなら楽したいところ。

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でも~。レンタルか~。
快適に行きたいけど~。レンタルか~。

マウント・マイチョコボをゲットする瞬間の感動のため、いまは我慢するの!

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たぶんこの辺りのモンスターが危険要素。
これまでの敵はこっちから手を出さない限りは襲って来ない、パッシブモンスターが大半だったけど。
このでっかいサソリは問答無用で襲い掛かってくる。

ただしそれは、普通の冒険者に限っての話。
わたしと10Lv以上の差がついてるから、それすらもない。安全そのもの!

やがて牧場の施設が見えて来た。

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仕事に勤勉な兵士と、妄想まみれの兵士がお出迎え。
チョコボは羽毛の塊だから相当ふわっふわしてそうだし、もふりたい気持ちは分かる。

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チョコボ厩舎まで歩いて行くと、次の依頼主になるだろうケーシャさんが佇んでいた。

もうね。
キリッとした端正な顔立ちに、嫌な予感しかしないの。

「噂は聞いてますよ」

「ミューヌから聞いてると思いますが、うちは、いつも忙しくて」

またか。
またこのパターンなのか。

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言葉は丁寧なのに、やっぱり上から目線のしゃべり!
ミューヌさんの関係者、全員怖い説!

わたしがひねくれてるだけかな……?

2023.05.11「侵入者に制裁を!」MainQuest

「ああ、大変……。なんてことかしら……!」

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これがついさっき〝期待してますよ〟キリッとか言ってた人のセリフだろうか。

完璧なまでに、演技掛かった導入。情を揺さぶろうとする言い回し。
わたしに用事を押し付けるため、あらかじめ練習してたとしか思えない。
べつにいいけど。

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案の定、用意周到にあらかたの調査が終わってた。
調べずに済むのは楽でいいけど、普通に頼んでくれればいいの。

鬱陶しいキキルン族を倒して来いって。

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せっかくだから現場へ向かう前に、この牧場の成り立ちを聞いてみた。

そもそもチョコボは北方の宗教国家「イシュガルド」が独占販売してた動物。
五年前の「第七霊災」が発端となり、地理的気候的な環境が激変。
逃れて来たチョコボが黒衣森に住み着き、グリダニアでの繁殖事業が始まったという。

ケーシャさんはそんな企業のひとつ「モーグリギフトマウンツ」の代表、牧場主とのこと。
良く言えば慧眼の持ち主、悪く言えば火事場泥棒……。

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キキルンが棲み着いてるのは「地神の忘却」のふもと。
バノック練兵所訪問の際に選んだ、遠回りルートの途中にあった大樹の幹が「地神の忘却」。
つまり、その大樹の幹の直下にキキルン族の集落があったことになる。

全然気付かなかった。

あの時はてっぺんから見下ろしたけど、今度は真下から見上げてみる。
はるか上の方に、展望台が見えるの。なかなか感慨深い。

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いちおう見張りの隊士ロズリンさんに指示を仰いでみた。
口ではマイルドに〝懲らしめて〟と言うけど、〝首狩って来い。4つもありゃあ十分だ〟って解釈で合ってる?

……は~。了解なの。
人型種族の生命を奪うのは気が重いけど、武器を手にした以上は避けて通れない道。
遅かれ早かれってことなら、いまやろう。

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「キキルンの皆様ごきげんよう」

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「ごめんあそばせ」

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「騙して悪いが仕事なんでな」

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「キキルンどもを懲らしめてくれたか。ご苦労だったな」

言われた通り、ぶっ殺して来ましたの!
集落のキキルン全員!

卵を割った罪は重いのだから。

2023.05.12「アオツキダケの脅威」MainQuest

ロズリンさんにキキルン殲滅を報告し終わった瞬間。
待ってましたとばかりに、隣の人に声を掛けられた。
オシャ・ジャーブさん。

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「君、身軽そうな冒険者だね」

鎧をガチガチに着込んだわたしのどこを見て〝身軽そう〟だと思ったのか、言ってみて欲しい。
どうせ〝ちびっこだから〟とか〝胸が極薄だから〟とかだろうね!
わたしだって、本来のピクシー姿はもっとこう……。

言ってて虚しくなってきたの。

ともあれ。
いまいるここは、幹じゃなくて根らしい。
そして、地名としては「地神の忘却」だけど、植物そのものは「天柱樹」らしい。
その辺りをさりげなく教えてくれただけでも大目に見るの。

で、なんだっけ。
キノコの駆除?

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ふふふ。わたしを誰だと思ってるのか。
足を滑らせて落っこちるなんてヘマは絶対にしない。

アオツキダケってキノコのなにが脅威なのか聞き流しちゃったけど、まあいいや。
ぱぱっと終わらせるの!

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あんなの楽勝で取れる。

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「んん!?」

「ああああ!!」

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三回落ちた。

ぜえぜえ……。
もてなしはいらないから休ませて……。

駆除の終了をてっぺんのテオドールさんに報告しないと……。
確か、わたしにマウントのことを教えてくれた人だったような……。

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行こうと思ってたなら、とっとと行って! 大切なのは即断即決!
悩んでたら死ぬの! わたしが!

次回からは自分たちで駆除してくださいの。

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でもまあ、こういう考え方は好き。
ロマンがあっていいと思うの。

世知辛い世の中だから、せめて空想くらいは……。

2023.05.13「牧場に忍び寄る影」MainQuest

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立ってる者はなんでも使うテオドールさん。
報告後に返す刀でなんか頼まれるのは確信してたし。
素直に引き受けよう。

とはいえ、森の中に不穏な人影とは笑い事じゃない。
高いところから毎日毎日24時間寝ずに見張ってるだけのことはあるの。
敬意を表して、責任持ってロズリンさんの伝えるの!

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低いところのロズリンさんも普通に不審者見付けてた。

台無し。

てか、こっち側にはロズリンさんとジャーブさんのふたりいる訳だし。
次からは気付いた時点で、どっちかが追跡とかしよう?

今回はわたしが調べて来るけど。
今回だけなの!

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見慣れぬ革袋と焚き火。

なにこれ。
いまどきの不審者さんは、荷物置き忘れるし、焚き火の後始末も出来ない感じ?

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ていうか、自分の私物じゃない他人の持ち物が〝見慣れぬ〟革袋なの、普通のことだったの。
不審者さんのものと決めつけて勝手に荷物持ってきちゃったけど、勘違いだったら後で怒られそう。やだなあ。

けれど、いちおう不審者の持ち物という判断になった。良かった。

じゃ、わたしはそろそろお疲れ様ということで……。

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「伝令を頼まれてくれないか?」

どう考えても冒険者に押し付ける仕事じゃない!
引き受けたかに見せかけて、わたしがそのままバックレたらどうするつもり!? 不審者野放しになるの!

伝えるだけなら「リンクパール」っていう通信手段もあるはずなのに……。
それすら鬼哭隊には配備されてない……?

大丈夫? 鬼哭隊大丈夫? 人員不足とか以前の問題な気がする!

更新履歴

2023.05.13 更新
2023.05.04 公開